かまぼこの下にある、板はなんのためにあるのでしょうか?調査してみました!
いつ頃から板に付けるようになったかは正確にはわかっていませんが、『摂戦実録大全、巻一』(1752年)に秀頼公大坂へ御帰城の時、伏見で梅春という都の料理人が、かまぼこを造って振舞ったという話の中で「板に付てあぶる」という文がありますので、少なくとも安土桃山時代には板付けかまぼこがあったようです。料理人が献上品としてのしつらえを持たせるための工夫もあったのかもしれません。
その他にも、すり身に触らずに成形でき、加熱時などの持ち運びにも便利であることなど様々な役割を果たしているようです。
さらにさかのぼって、室町時代中期の写本『食物服用之巻』(1504年写)には「かまぼこは右にてとりあげ、(中略)板の置くやうに口伝あり。」とあるから、板付きかまぼこの発祥は室町時代中期前ということになりそうです。その後、蒸す製法が登場し、多くは蒸して後、焼いて売る。江戸では焼いて売ることなく、皆蒸したもののみを売る」とあり、このころすでに、江戸では蒸し板、京阪では焼き板がスタンダードであったと考えられています。